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【語彙力ゼロ感想文】カズオ・イシグロの『浮世の画家』読了。価値観って怖いな!!

さて、今度もまったく語彙力がひたすらないブログとなりそうですが、ノーベル文学賞を受賞されたカズオ・イシグロさんの本を初めて読みました!

 

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

 

『わたしを離さないで』のドラマを知っているくらいの知識しかありませんでしたが、

 

うーーーーん、こ、こ、こ、これは…!!!

お、おもしろい…!

 

あらすじはこんな感じ。

戦時中、日本精神を鼓舞する画風で名をなした芸術家の小野。弟子たちに囲まれ、大いに尊敬を集める身分だったが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない。小野は引退し、屋敷に籠もりがちに。自分の画業のせいなのか......。老画家は過去を回想しながら、みずからが貫いてきた信念と新しい価値観のはざまに揺れるーーウィットブレッド賞に輝く著者の出世作。

 

 

基本的に同じ本を読んだ人向けに書いてるブログのカテゴリーなので、説明色々はぶくけど、

 

いやーーーなんていうかね、怖いよ価値観が。

 

江戸から明治になった時も価値観ががらっと変わったことはあると思うけど、戦時中と戦後の180度回転の価値観。

これにはね、もうなんていうか、なんていうか、なんていうかな…つらい。

 

話はひたすら主人公の1人語りで、もうとにかくあんまり信用ならないんだよね。

なんせ、その人の価値観や捉え方が前面に押し出された文章だから、たぶん本人が誤解したままの部分とかあると思う。

すれ違ってしまってる部分とか。

あと決定的なことは、なんとなく匂う程度しか書かれていない。

 

あと、紀子の縁談について主人公が過去していた仕事が影響があったのかなかったのか、節子も終わりの方では言ってることが違くて、でも決定的にはっきりと話していたわけじゃないから、もう何が本当なのかはよく分からない。

 

主人公が戦時中、日本精神を鼓舞する作風でやっていたのは、本人の意志がしっかりあった。

全身全霊をかけて突き進んでいた。

彼は戦争に行かず、お金もあって孫と遊んだりもしている。

そして、モリ師匠。

彼は西洋の技法を取り入れていたのもあって、戦時中名を成した主人公とは反対に、展覧会などをひらくのもやっととなり、挿絵をかくようになる。戦後はどうなったのかは分からないけど…。

 

うーーーーーん、怖い!

 

価値観って本当に流動的で、戦国時代のドラマを見てると、切腹や首切る事が当たり前なその時代の価値観は、現代の私にとってはありえないもの。

それに私が生きてる30年間でも、共働きが当たり前のようになり、女性活躍なんちゃら〜〜働き方をかえる〜〜とか、価値観は変わってきてるわけで。

 

どうなるんろう、50年後の価値観は。

私が今いるこの価値観と、もしかしたら180度変わってることだってありえるんだよね。

 

だからなんか流されるんじゃなくて、自分の頭でしっかり考えて、自分の価値観を築いていきたいし、いつまでも柔軟でありたいもんだねーーー。

 

 

今度は忘れられた巨人が読みたいな!